ヘビのちんちん

ヤポニカ

2013年06月09日 18:14

もうそろそろ前期の授業も終わり始めるのです

んで最近やたらと教材作ったり、新しい知識をまとめたりして
ネタは増えたんけど使う場所がいっこうに増えない、、、、これはまずい、、
お仕事増やさなきゃ、、、新規開拓しなければ、、、

ので,家の中が教材だらけになって来て困るので
土人のやっている事をもう少し色んなヒトに知ってもらう努力をしようかと、
ここで少し鉄板ネタをまとめておこうかと、、、

科学や自然を面白いと思うヒトが増えたらいいなぁ、、、というネタ紹介の話です


世の中見渡してみてもやはり「ヘビって嫌い」っていうヒトが多いんです
ろくすっぽ理由も無く、嫌いになるのって寂しい限りなんですが、その大きな理由の一つに
「よく知らない」ってのがある訳です(まぁ沖縄の場合、毒ヘビのハブが怖いし嫌いってのもあるのでしょうが)
でも、詳しく知りたくもない→嫌いでいい という図式はなかなか崩すのが難しい
そこで、その人でも興味を示すようなネタを示してあげる事で少しでも興味を持ってもらいたい
ってのが そう、ちんち○の話なのです

老若男女、ちん○んとう○この話を嫌いな人間はいとりません。すなわち、
この2種に関するネタは不特定多数のヒトを前に短時間でお話をする際にみんなの気持ちをほぐれさせ、
かつ真剣に聴こうと思わせる事の出来る魔法のネタなんです

などと、

言い訳はいいですね、ようは土人の好きなネタなのです
一発目はこの前やったやつ、

ヘビにチンチンはあるでしょうか?魚は?カエルは?
こういう質問をすると眠そうだった学生が瞬時に目を覚まし、食い入るように話しを聞くようになります。

ヘビにはチンチンがあるのです
カエルにはちんちんはありません

カエルが産卵するとき、こういう「おんぶガエル」になります

実際に卵を産んでいる所を見てみると

メスが卵を産み(この時はまだ未受精卵)それと同時にオスが精子を水中にばらまき、そこで受精が起こる。
つまり体外受精をする訳です。そのため精子をかければいいだけなのでチンチンは要らないので体外受精の両生類にはちんちんはありません。
ですからカエルの繁殖行動は 交尾 ではなく、 抱接(ほうせつ) といいます
(硬骨)魚類も同様にちんちんはないです

体内受精をするのは爬虫類以上の脊椎動物、つまりそいつらこそチンチンが必要な生き物となるのです

やーるーなんかも交尾をします

ヒメハブも2匹が絡み合っている時はたいてい交尾な事が多いのです。
哺乳類なんかは今更説明するまでもなくちんちんがついている訳です

さて、爬虫類のちんちんですがワニやカメはきちんとしたペニス(陰茎:内部に管の通った
海綿体に充血する事で機能する器官)が備わっているのですが
有隣目(ヘビやトカゲの仲間)は左右に1本づつ一対のヘミペニス(半陰茎)という少々変わったチンチンを持っています

これは有隣目だけが持つ特有の生殖器官です
体液で膨らます風船のようなものが左右に1本づつ、一対、オスの総排泄口の所にあるのです。
普段はちょうど脱いだ靴下のように反転した状態(とげとげが内側を向いて)でオスの尾部にある半陰茎嚢に収まっています
ヘビのオスメスを見るときしっぽが太いと「オスっぽい」、というのはちんちんの入っている分、尾が太くなるのを見ている訳です
(ヘビのオスメスを判別するセックスブロウ法は総排泄口に金属の棒を差し込んで反転した半陰茎をさぐって判断するやり方です)
コイツをメスの総排泄口に押しがってから膨らましながら反転させ、メスに挿入します。
ただの袋状の器官ですからヘミペニスには精子を通す管はありません。ヘミペニスには膨らむと管のような形になる溝が表面にあり、
これを伝って精子が移動し受精を行なうという仕掛けになります。

で、
そもそもこのヘミペニス、かなり大型のトゲや瘤があって痛そうな外見をしています

手近にあったので見てみると タイワンスジオ

はこんなの、2本のとげとげした物体がヘミペニスです。実際に使うのは左右どちらか一方ですが器官としては2本あります。
たまに、「足の生えたヘビがいるからすぐ来てくれ」という連絡で駆けつけると何かの拍子にヘミペニスを反転してしまった哀れなオスヘビだ,って事がありますが、見た人はチンチンとは思わない,そんな形をしています

一つをもう少し詳しく見ると
かえしの用なトゲがびっしり、下側に少し黒ずんでみえる辺りが精導溝になります
触ってみてもしっかり引っかかるほどのトゲなので膨らませてからの挿入は出来ないのでしょう,
と同時に
すぐに引っこ抜く事も出来ないような構造をしている訳ですね
ヘビの交尾を見かけたヒトはそっと驚かさないようにしてあげて下さい
(メスとオスが違う方向に逃げ出したら千切れてしまうかも知れないので、、、)

面白いのはこのちんちん、ヘビによって形がかなり異なるのです(なので分類形質としても用いられる事があります)
ヘビに種類なんてあるの?全部が全部ひょろっとしてるだけじゃん、なんていうヒトもいますがそれぞれの種で形が違うのです

シマヘビ

リュウキュウアオヘビ

ヨナグニシュウダ

アカマタ

サキシママダラ

ガラスヒバァ
といったぐあいになんとも個性的なちんちんなのです

見た目に違いが判りづらいウミヘビなんかもチンチンで見ると

イイジマウミヘビ

クロガシラウミヘビ

エラブウミヘビ

ヒロオウミヘビ

アオマダラウミヘビ
と結構ヘミペニスの形は違っているのです


これはハブ、やっぱりかっこいいんじゃないかと思うんですがどうでしょうかねぇ

と、こんな感じで種類ごとに結構個性的なヘミペニスを持っているんです、はい。

で結構たくさんの標本を見ていくと1対のヘミペニス、左右で大きさの若干異なる個体が多くいる事に気付くのですが、、
一回の繁殖に使うのは左右どちらかのハズなので、、、、
利き腕、ならぬ利きちんち○があるのでは?、、、などと考えてみたり、、
手足が無いのに交尾する、たしかにどうしているんだろう,って話しなんですがうまい事機能しているのでしょう、
ただ、チンチンがある。それだけの事なんですが少しヘビに興味を持ったんではないでしょうか

他愛も無い話しですが少しでもヘビに興味を持つヒトが増えればいいなぁという小話でした


関連記事