プランクトンあしび

2011年04月29日/ 琉球の生物(海)

海もの企画つづきます。

海で遊ぶというとなんや最近はシュノーケルやタンクしょってでと大型化と金かかる化とが定着しとります。かくいう私も潜ったりはするのですが(最近はしてないので機材は埃まみれ、、)それだけが海ではないし、空気を媒体に生きている人間にとって水の中はやはり油断は禁物、一定の危険がつきまとうものです。入門および手軽なおつきあいでいいよ、という者としては海につかるというのはその時点ですでに少々ハードルがたこうございます。表舞台ともいうべきキレイな海の姿を紹介しているブログやらHPはいっぱいありますし、なによりやはり貧乏ぷらぷら野良育ち人間としてはキレイ系の海ではなく地味なこゆ〜いところの紹介を担当したいところ、というわけで今回はプランクトンの紹介と採集です。

水という媒体は空気と異なり密度が高く、空気中に漂うことはなにがしかの修行が必要ですが水中に漂うことは比較的たやすいようにそれに適応した生き方があります。海の生き物は高密度の媒体に対し、身を任せるか、あらがって進むか、じっとしてるかという生活スタイル選択し、その選び方によって呼ばれ方が以下のように異なります。

プランクトン:浮遊生活者
ネクトン  :遊泳生活者
ベントス  :底生生活者
といい
プランクトン(浮遊生活者)は遊泳力(泳ぐ力)が無いか小さく、海流の動きに合わせて移動しているもの(ミジンコやクラゲとか)
ネクトン(遊泳生活者)は遊泳力があり大きな海流にのることはあっても基本自力で泳いでいるもの(タマンやマグロとか)
ベントス(底生生活者)はほとんどなく底生に生息しているもの(サンゴやイセエビとか)
というようにざっくり分けることができます。

生き方による違いで分けられた分類なので

Q:ご職業は何ですか?   A:ニートです(ビシッ)というのと同じように
Q:生き方はどんなですか? A:プランクトンです(キリッ)というわけで

ニートという生き物がいないようにプランクトンという生き物もいないのです。また小さいとプランクトンというわけではなく、浮遊して生きてるかどうかで決まるので結果として水にただよう小さい物が多いですが中にはマンボウなど遊泳力の弱い魚類や、1mを超えるエチゼンクラゲなんかもプランクトンとして考えたりします。生き方による分類なので生活スタイルを変えれば呼び名も当然変わります。海の生き物は卵から幼生、子供の間をニートプランクトンで過ごすものが少なくなく、その後成長に伴って各生活場所にたどり着いてプランクトンからベントスやネクトンになる生き物も少なくありません。もちろん一生プランクトン生活の生き物もいるわけです。

前置きが長過ぎるのでこのくらいにして今回の遊び方
プランクトンは走光性といって光がある方に向かってしまう悲しい性があるのでそれを利用して広く海に広がっているそれらを集合させて一網打尽にして遊ぼうというのが今回の肝です。
プランクトンあしび
・道具
白コマセ角バケツロープ付き1個、懐中電灯とそれが入るプラビン(防水懐中電灯に白い買い物袋(乱反射用)でもok)、
すくうためのタモ網(なるべく細かい方がいい、今回は1mmメッシュくらい、長い柄にくくりつければ金魚網で十分)、
回収用バケツ
・薬品
ホのつく生き物屋さんがよく使う薬かエタノール80%を適量、プラ瓶にいれて
※海の生き物は採集された後もバケツの中でがんがん食い合います。リアル北斗の拳状態なので採集したものを観察するため標本化します。
たけぇ機材は使うとランニングコストがかかるので今回は使いませんがプランクトンを専門に集める目合いの細かいネットなども存在しております。

日没後に漁港や海辺にいったら
プランクトンあしび
角バケツに懐中電灯ほりこんで吊るし上げます
プランクトンあしび
4,5分でもうわらわらしてます
プランクトンあしび
水の中はこんな感じ
あとは右ワキ締めるようにすくうべし!すくうべし!
プランクトンあしび
この場所は稚仔魚が多くて細かい変なのは少ない感じでした。
プランクトンあしび
30分ほどで小瓶いっぱいになったので今日は終了、ゆっくり観察です。

だいたいだぶった物をのぞいてかっこいい物だけにしてみました
プランクトンあしび
正確にはネクトン(遊泳生活者)かな?さかなさかなです。トウゴロウかヤクシマイワシなどのなかまなど
プランクトンあしび
ヨウジウオの子供
プランクトンあしび
ゴカイのなかま
プランクトンあしび
カニの幼生(メガロパ)です。この後脱皮すると稚ガニになるカニの一歩手前君です。
プランクトンあしび
ユメエビ 目がすっげぇ先っぽにあってかっこいいです。
プランクトンあしび
ヤムシ 魚みたいですが毛顎動物(もうがく)という仲間ですげー早さで突進してぶつかった物に噛み付きます。顎にはフグ毒のテトロドトキシンをもっていて瞬殺して食べます。
プランクトンあしび
イカの子供
プランクトンあしび
タコの子供です。イカタコなどはこの辺に産卵された物が孵化したのでしょう。あまり成長していない孵化直後っぽい個体でした。
プランクトンあしび
ちいこいものですがよく見ると形が奇妙だったりとんがっていたりかっこいい物が多いのがこんただプランクトンの面白さです。

記録に当たってIT土人が最近導入してもらった頭のいいひと
プランクトンあしび
ペンタックスさんです
プランクトンあしび
1cmマクロの機能が以外と使えます。なんやIT土人には難しい設定などがいろいろあるのですがそんなときは大声で騒ぐと周りがなんとかしてくれるので覚えなくてもなんとかなってます。顕微鏡にくっつけても結構まともな写真が撮れました(前述記事アンボイナ参照)。

さてさてともあれ日没後30分でぷらっと採集して十分に楽しめます。海の生き物ですから当然海のコンディション、大潮小潮、干潮満潮、季節、海域、採集場所によって採れる物はびっくりするほど変わります。この博打性がなんとも人間の採集本能を刺激してくれます。今年は折りをみて少し紹介できればと思っていますので機会があればまた記事にしましょう。事故の無いよう子供だけでいかないなど注意して皆さんも試してみてはいかがでしょう。


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Posted by ヤポニカ at 20:18│Comments(2)
この記事へのコメント
おもしろい♪
Posted by kyo at 2011年04月30日 22:30
どうも。たいした機材もいらないので試してみてはいかがでしょう
Posted by ヤポニカヤポニカ at 2011年04月30日 22:42
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