サメ歯ナイフ
2011年06月04日/ 昔遊び、伝統の技
日本における初期の道具は打製石器で火山国であるため日本の各地で良質な黒曜石やサヌカイトが産出し、それらの産地には当時としては大きな集団が形成されました。その後弥生になって金属を加工できる技術を手に入れると今度は良質な砂鉄(硫黄やチタンを含まないか含んでても少量)の採れる場所が勢力を持っていったわけです。世界史なんかを見る際に今日につながる大きな方向性として道具を発展させていくプロセスや動機というのが何とも面白いのですが、では一方で鉄の原料となる鉱石が出ない、もしくは出ても還元剤としての木材がほとんど無いために鉄も作れない、石器にする石も出ない海洋島などの文化圏ではどのような道具、武器があったのかつーのが今回のお話。
ハワイでNiho Oki(ニホ・オキ:ネットでは歯、切るの意味だとか)といわれているサメ歯のナイフがそれです。
追記:ゲッチョさんの持ってる本物のニホ・オキの写真を撮らせてもらいました(6月11日)

歯のアップ

グリップはアカシアだそうです。他にもククイノキなんかが使われているそうです。
サメの歯を道具や武器にして利用してたというものです。ほんまでっか?実用に耐えるのか?となりそうなのでさっそく行動開始です。
ちょうど今回の台風さんがいい仕事をしてまして、折れたてのほやほやの樹木が身近なところにイパーイ転がってます

手ごろなサイズにカットして、

まだ死んでない枝は形成層がむきやすいので華麗にピーリング!

とりあえず取っ手はお外からゲットできました。あとはお部屋で作業作業。

いるもの
サメの歯:今回は何処にでもあるイタチザメ(体長3m以上のもの)の歯をいい感じに準備。

木:そこらで折れてました。アカギとガジュマルかな?
糸:丈夫なのを
電気ドリルとその仲間たち(今回は超硬ドリル2.5mm,キリ穴ドリル3mm,木工ドリル 6mmを使用)

牛革
はやる気持ち
早速作りましょう

歯に超哽ドリルで穴をあけます

こんな感じ

歯をはめ込む部分を目だししたら

木工ドリルでほぞをほがします

昔は大変だったか知らんけど軟弱なわれわれには電気ドリルという強い味方がいてまする。

できました。彫刻刀で整えたら

仮はめしてひもを通す穴をあけます

歯と穴を糸でしっかり結べば

完成です。

しかしなんとも頼りない外観(まぁこれは作者のセンスの問題もあるかも)、本当に石器や鉄器の代替品として機能するのかしら?

という疑問を解消するため

猛獣使いで使った牛革のあまりで試してみますってーと

“しゃぱー”とストレス無く切れました

調子に乗って切り刻みすぎ、、、

うん、確かに実用的だったんだと実感しました
考えてみると歯とは生き物が作れる最も固い組織(鉱物)で現生の生き物のうち脊椎動物などではそれぞれの生き方にあった歯の形状(切る、つかむ、叩く、裂く、すりつぶす、など)に特化しているのを見ることが出来ます。サメ類も種によって歯の形状は大きく異なります。

サメの歯は少し詳しい方なら折れてもあとからあとから生えてくるなどということを知っていますが、

イタチザメなど“食いちぎるタイプ”のサメはこの一列を使って食いついた対象を切り落とすようにします。

裏から見ると予備の歯が並んでいるのがわかるかと思います

歯は元々皮膚から発生した器官、その生え方や抜け落ち方も皮膚と一緒で深層から徐々にせりあがり、最外部が剥離する、というもの。

左が作用歯、右に行くほど奥にあったまだ完成していない歯。歯根部などが形成されてないだけでなくエナメル質の内部は外側だけのぺこぺこです。
以前沖縄某所の貝塚遺跡からサメの歯が出たというので見せてもらったことがありますが作用歯(さようし:言い方ちがってるかも、、)ではない歯ばかりが出てました。このことはどこぞで死んだサメの歯が流れ着いたものが捨てられたのではなく、偶発的か意図的かはともかくとしてサメ(少なくとも頭か顎の一まとめになった状態)が持ち込まれて腐らすか煮るかして歯だけを取り出し、使える歯は何かに利用し、使えない歯を捨てたもの、と解釈できると思いますが加工された歯の遺物や道具が出土してるのかなど、さてさて沖縄でもサメの歯は道具として使っていたんですかねぇ?考古、民俗はさすがに門外漢なのでパンドラの箱を開くのはやめにして(というか詳しい方教えてください、)次回以降の楽しみにとっておきましょう。
とりあえず皆さんもぜひ作ってみてください。この切れ味は感動的だと思います。
な~に、さめの歯と木片があればいいだけですから簡単です。
ハワイでNiho Oki(ニホ・オキ:ネットでは歯、切るの意味だとか)といわれているサメ歯のナイフがそれです。
追記:ゲッチョさんの持ってる本物のニホ・オキの写真を撮らせてもらいました(6月11日)
歯のアップ
グリップはアカシアだそうです。他にもククイノキなんかが使われているそうです。
サメの歯を道具や武器にして利用してたというものです。ほんまでっか?実用に耐えるのか?となりそうなのでさっそく行動開始です。
ちょうど今回の台風さんがいい仕事をしてまして、折れたてのほやほやの樹木が身近なところにイパーイ転がってます
手ごろなサイズにカットして、
まだ死んでない枝は形成層がむきやすいので華麗にピーリング!
とりあえず取っ手はお外からゲットできました。あとはお部屋で作業作業。
いるもの
サメの歯:今回は何処にでもあるイタチザメ(体長3m以上のもの)の歯をいい感じに準備。
木:そこらで折れてました。アカギとガジュマルかな?
糸:丈夫なのを
電気ドリルとその仲間たち(今回は超硬ドリル2.5mm,キリ穴ドリル3mm,木工ドリル 6mmを使用)
牛革
はやる気持ち
早速作りましょう
歯に超哽ドリルで穴をあけます
こんな感じ
歯をはめ込む部分を目だししたら
木工ドリルでほぞをほがします
昔は大変だったか知らんけど軟弱なわれわれには電気ドリルという強い味方がいてまする。
できました。彫刻刀で整えたら
仮はめしてひもを通す穴をあけます
歯と穴を糸でしっかり結べば
完成です。
しかしなんとも頼りない外観(まぁこれは作者のセンスの問題もあるかも)、本当に石器や鉄器の代替品として機能するのかしら?
という疑問を解消するため
猛獣使いで使った牛革のあまりで試してみますってーと
“しゃぱー”とストレス無く切れました
調子に乗って切り刻みすぎ、、、
うん、確かに実用的だったんだと実感しました
考えてみると歯とは生き物が作れる最も固い組織(鉱物)で現生の生き物のうち脊椎動物などではそれぞれの生き方にあった歯の形状(切る、つかむ、叩く、裂く、すりつぶす、など)に特化しているのを見ることが出来ます。サメ類も種によって歯の形状は大きく異なります。
サメの歯は少し詳しい方なら折れてもあとからあとから生えてくるなどということを知っていますが、
イタチザメなど“食いちぎるタイプ”のサメはこの一列を使って食いついた対象を切り落とすようにします。
裏から見ると予備の歯が並んでいるのがわかるかと思います
歯は元々皮膚から発生した器官、その生え方や抜け落ち方も皮膚と一緒で深層から徐々にせりあがり、最外部が剥離する、というもの。
左が作用歯、右に行くほど奥にあったまだ完成していない歯。歯根部などが形成されてないだけでなくエナメル質の内部は外側だけのぺこぺこです。
以前沖縄某所の貝塚遺跡からサメの歯が出たというので見せてもらったことがありますが作用歯(さようし:言い方ちがってるかも、、)ではない歯ばかりが出てました。このことはどこぞで死んだサメの歯が流れ着いたものが捨てられたのではなく、偶発的か意図的かはともかくとしてサメ(少なくとも頭か顎の一まとめになった状態)が持ち込まれて腐らすか煮るかして歯だけを取り出し、使える歯は何かに利用し、使えない歯を捨てたもの、と解釈できると思いますが加工された歯の遺物や道具が出土してるのかなど、さてさて沖縄でもサメの歯は道具として使っていたんですかねぇ?考古、民俗はさすがに門外漢なのでパンドラの箱を開くのはやめにして(というか詳しい方教えてください、)次回以降の楽しみにとっておきましょう。
とりあえず皆さんもぜひ作ってみてください。この切れ味は感動的だと思います。
な~に、さめの歯と木片があればいいだけですから簡単です。
Posted by ヤポニカ at 16:36│Comments(0)