裏の川にも夏が来た!
2011年08月19日/ 琉球の生物(海)
沖縄に流れ流れてきてはや18年(?かな)、土人には夏が来たことを確認するためにこの時期ほぼ毎年続けている行事があります。今年はなんか台風やらWSやらいろいろきて始めるのが遅くなってもーたのですが、、。
それは裏の川でつりをすること(場所は伏せます)。

それがなんで夏が来たことになるのか?少しお話を、
沖縄に住んでいると夏の大潮前後で必ずといっていいほど「サンゴの産卵が行なわれました」的なニュースを耳にします。これはこの時期にサンゴが卵と精子を放出し、次世代を作る為に行なう大事なイベントの一つです。人の目に奇妙に映るとニュースバリューがある、と認識されるのでサンゴはそんな大人の事情にぴったりあってよく取り上げられます。しかしサンゴ以外にも生き物はいるわけで、なおかつ生息場所を海に求めている生き物にとっては媒体である海水の状態を最大限利用した繁殖方法を選ぼうとするもので、はなやかに取り上げられるサンゴの産卵の裏で多くの生き物が同じく、産卵、出産の時期を迎えていたわけです。今回取り上げる生き物も(大潮に直接リンクしているかは不明)そんな夏のある時期に出産を行なう生態をもった生き物です。
その生き物とは

オオメジロザメというサメです。この写真は以前石垣島でサメの駆除作業中にかかった個体のものですが、こんな感じで大きくなる大変かっこいいサメなのです。ネズミザメの仲間なのでまぁ皆さんの想像する怖いサメのイメージにぴったりくるのかもしれませんねぇ、美ら海水族館のサメコーナーにもアダルトのペアがいとります。普段は外洋と沿岸を行き来し生活しているようで10月前後のシイラ釣りの時期になると残波や真栄田のポイントにも親がその大きな体を見せ、釣り人のかけたシイラを食べちゃったりしてます。このサメは胎生といって、卵を産むのではなく直接小さな赤ちゃんザメを出産するタイプで琉球列島以南の沿岸域で出産するようです(実際に出産は見てませんので)。で、子ザメは一番弱い1,2年の間何処で暮らすかというと潮の満ち引きに合わせて上げ潮で遡上し川へ、下げ潮で降河し海へ、と淡水〜汽水〜海水を行き来することで成長していくという生態をしています。大きくなったら無敵のサメも弱く小さい頃は敵の少ない淡水域で過ごして大きくなったら海に出て行く、うん、この慎重さがますますかっこいいですねぇ。
土人がこのサメに初めてあったのは大学一年の夏、西表島の仲間川で釣りをしているときで、内地から来た人間にとって海水魚、それも軟骨魚類が川を遡上するなんて、それも生活圏にするなんて、っと感動したもんです。で、沖縄島に戻って夜釣りをしてると見慣れた魚影がちらほらと、見間違い出なければヤツしかいない、というわけでその時から今までえんえんと続く年中行事の一つになっているのです。
つまり、コイツが釣れる→この少し前に沿岸域のどこかでオオメジロザメが出産(夏の到来)、→子ザメが自力で淡水を求めて生活+α(土人に釣られる)。というサメの幼少期の思い出作りに参加できるのと今年も無事に出産、河川に上がっても生活できていることの確認、などが出来るということです(と色々理由を考えてみました)。
で、釣りですがやはりこれだけのかっこいい生き物に対し、敬意を払わないわけには生きません。
まず近くの漁港で(オペは相方Sがお送りしております)

投網を打ちます

「しぁ!」

不発でした(投網の投げ方は今度詳しく記事にします)

なんだかんだでこまいの採れたらぶくぶくで活かして釣り場へ

もうずーっとこの時だけ使われる投げ竿君です。浮きと針だけのシンプル仕掛け
魚つけたらあとは待つだけ、

(ピントがひどいもんですが)月が綺麗かったり、けんかの音が聞こえてきたり、パトカーと暴走族が追いかけっこしてたり、そんなものを見聞きしながらまったりと、しかし目だけは皿のようにして水面の魚影を探す、まぁそこらにいる人と違う時間軸で楽しい時を満喫しました。
で、結果ですが、、、、、
今回は川面を移動する5,6尾が確認できたものの私の竿にはかかりませんでした。ええ、坊主です、、、、。一応今年も生まれたことだけは確認です、、、、、はぁ。
悔しいのと嘘つき呼ばわりされたくないので去年の写真をお披露目です。

これが裏の川に住んでいるサメ、オオメジロザメです。

このサイズで生まれたて(胸びれの間に人間で言うへその緒のあとがまだ残っている状態)です。人間に捕まってさぞびっくりしたでしょう。写真を撮ったら海へ帰して終了となります。たまに間違って釣った釣り人が頭叩いて絶命させるんですがそういうのもなるべく控えてもらえるとうれしいなぁ。ペンチで針外せば襲われることは無いのでねぇ、、。
毎年この時期に行なう理由は生まれたての無垢な個体を釣る為、に尽きます。というのも産まれてすぐの個体は何も判らず釣り餌にもよく食いついてくれるのですが、しばらくすると学習してしまい釣り餌は食わなくなるし、仕掛けを見破るようになるのです。秋口に入っても姿は見るのですがそのときには既に騙されない子ザメに成長したあとなので土人のつたない釣り技術では繊細なことが出来ず、“見てるだけ”になってしまうのです。そのためまだ学習してないうちに釣って「夏が来た〜」とやりたかったのですがまぁ下手打ちました。リベンジはするのですがとりあえず記事にしておきましょう(再起を誓って)。
記事にしたのはもう一つ、こういう話がたまに新聞なんかに出て、すぐに駆除だの危ねぇから対策を、など神経質な方がいて生き物の世界も本当に住みづらくなっています。そういう人に対して土人としては、お前はこんな川で泳ぐのかよ?とか、よくわからんものがいるから排除してくれというならまずはお前だろ、とか、そもそもお前が産まれる遥か昔からこの川で営まれていた生き物の姿なんだよバーカ、と言いたくなるのですが、、。
そもそもこういう生き物にとってその生活場所である河川が(少なくとも行政的には)排水溝としてしか認識されていない為、いつまでも生き物の住みやすい環境ではない、どころか生き物が住みにくい、人間の見た目にきれいな環境にされてしまうことも懸念されるわけです。そんな現状に追い討ちをかけるような怖い生き物がいるらしいから対策しろ!とかいうのはやはり自己中心的かなぁと。
むしろそんな状況下でたくましく生きている生き物へ理解を示せる度量をもってほしいものです。日本ではここでしか見られないこういった面白い特徴をもった生き物の生態をこんなに身近に観察できることを楽しく思えるくらいに余裕を持って楽しく自然との距離を狭めた生活をしてほしいと思うのでした。
とはいいながらお前はなんで釣ってんだよ、とか言われそうですが、まぁそこは自己矛盾を抱えた人間の所業ということで大目に見てくださいませ。とはいえ一応(つれてはいませんが)これで(オオメジロザメにも)夏が来たのを確認です。
それは裏の川でつりをすること(場所は伏せます)。

それがなんで夏が来たことになるのか?少しお話を、
沖縄に住んでいると夏の大潮前後で必ずといっていいほど「サンゴの産卵が行なわれました」的なニュースを耳にします。これはこの時期にサンゴが卵と精子を放出し、次世代を作る為に行なう大事なイベントの一つです。人の目に奇妙に映るとニュースバリューがある、と認識されるのでサンゴはそんな大人の事情にぴったりあってよく取り上げられます。しかしサンゴ以外にも生き物はいるわけで、なおかつ生息場所を海に求めている生き物にとっては媒体である海水の状態を最大限利用した繁殖方法を選ぼうとするもので、はなやかに取り上げられるサンゴの産卵の裏で多くの生き物が同じく、産卵、出産の時期を迎えていたわけです。今回取り上げる生き物も(大潮に直接リンクしているかは不明)そんな夏のある時期に出産を行なう生態をもった生き物です。
その生き物とは
オオメジロザメというサメです。この写真は以前石垣島でサメの駆除作業中にかかった個体のものですが、こんな感じで大きくなる大変かっこいいサメなのです。ネズミザメの仲間なのでまぁ皆さんの想像する怖いサメのイメージにぴったりくるのかもしれませんねぇ、美ら海水族館のサメコーナーにもアダルトのペアがいとります。普段は外洋と沿岸を行き来し生活しているようで10月前後のシイラ釣りの時期になると残波や真栄田のポイントにも親がその大きな体を見せ、釣り人のかけたシイラを食べちゃったりしてます。このサメは胎生といって、卵を産むのではなく直接小さな赤ちゃんザメを出産するタイプで琉球列島以南の沿岸域で出産するようです(実際に出産は見てませんので)。で、子ザメは一番弱い1,2年の間何処で暮らすかというと潮の満ち引きに合わせて上げ潮で遡上し川へ、下げ潮で降河し海へ、と淡水〜汽水〜海水を行き来することで成長していくという生態をしています。大きくなったら無敵のサメも弱く小さい頃は敵の少ない淡水域で過ごして大きくなったら海に出て行く、うん、この慎重さがますますかっこいいですねぇ。
土人がこのサメに初めてあったのは大学一年の夏、西表島の仲間川で釣りをしているときで、内地から来た人間にとって海水魚、それも軟骨魚類が川を遡上するなんて、それも生活圏にするなんて、っと感動したもんです。で、沖縄島に戻って夜釣りをしてると見慣れた魚影がちらほらと、見間違い出なければヤツしかいない、というわけでその時から今までえんえんと続く年中行事の一つになっているのです。
つまり、コイツが釣れる→この少し前に沿岸域のどこかでオオメジロザメが出産(夏の到来)、→子ザメが自力で淡水を求めて生活+α(土人に釣られる)。というサメの幼少期の思い出作りに参加できるのと今年も無事に出産、河川に上がっても生活できていることの確認、などが出来るということです(と色々理由を考えてみました)。
で、釣りですがやはりこれだけのかっこいい生き物に対し、敬意を払わないわけには生きません。
まず近くの漁港で(オペは相方Sがお送りしております)

投網を打ちます

「しぁ!」

不発でした(投網の投げ方は今度詳しく記事にします)
なんだかんだでこまいの採れたらぶくぶくで活かして釣り場へ
もうずーっとこの時だけ使われる投げ竿君です。浮きと針だけのシンプル仕掛け
魚つけたらあとは待つだけ、
(ピントがひどいもんですが)月が綺麗かったり、けんかの音が聞こえてきたり、パトカーと暴走族が追いかけっこしてたり、そんなものを見聞きしながらまったりと、しかし目だけは皿のようにして水面の魚影を探す、まぁそこらにいる人と違う時間軸で楽しい時を満喫しました。
で、結果ですが、、、、、
今回は川面を移動する5,6尾が確認できたものの私の竿にはかかりませんでした。ええ、坊主です、、、、。一応今年も生まれたことだけは確認です、、、、、はぁ。
悔しいのと嘘つき呼ばわりされたくないので去年の写真をお披露目です。
これが裏の川に住んでいるサメ、オオメジロザメです。

このサイズで生まれたて(胸びれの間に人間で言うへその緒のあとがまだ残っている状態)です。人間に捕まってさぞびっくりしたでしょう。写真を撮ったら海へ帰して終了となります。たまに間違って釣った釣り人が頭叩いて絶命させるんですがそういうのもなるべく控えてもらえるとうれしいなぁ。ペンチで針外せば襲われることは無いのでねぇ、、。
毎年この時期に行なう理由は生まれたての無垢な個体を釣る為、に尽きます。というのも産まれてすぐの個体は何も判らず釣り餌にもよく食いついてくれるのですが、しばらくすると学習してしまい釣り餌は食わなくなるし、仕掛けを見破るようになるのです。秋口に入っても姿は見るのですがそのときには既に騙されない子ザメに成長したあとなので土人のつたない釣り技術では繊細なことが出来ず、“見てるだけ”になってしまうのです。そのためまだ学習してないうちに釣って「夏が来た〜」とやりたかったのですがまぁ下手打ちました。リベンジはするのですがとりあえず記事にしておきましょう(再起を誓って)。
記事にしたのはもう一つ、こういう話がたまに新聞なんかに出て、すぐに駆除だの危ねぇから対策を、など神経質な方がいて生き物の世界も本当に住みづらくなっています。そういう人に対して土人としては、お前はこんな川で泳ぐのかよ?とか、よくわからんものがいるから排除してくれというならまずはお前だろ、とか、そもそもお前が産まれる遥か昔からこの川で営まれていた生き物の姿なんだよバーカ、と言いたくなるのですが、、。
そもそもこういう生き物にとってその生活場所である河川が(少なくとも行政的には)排水溝としてしか認識されていない為、いつまでも生き物の住みやすい環境ではない、どころか生き物が住みにくい、人間の見た目にきれいな環境にされてしまうことも懸念されるわけです。そんな現状に追い討ちをかけるような怖い生き物がいるらしいから対策しろ!とかいうのはやはり自己中心的かなぁと。
むしろそんな状況下でたくましく生きている生き物へ理解を示せる度量をもってほしいものです。日本ではここでしか見られないこういった面白い特徴をもった生き物の生態をこんなに身近に観察できることを楽しく思えるくらいに余裕を持って楽しく自然との距離を狭めた生活をしてほしいと思うのでした。
とはいいながらお前はなんで釣ってんだよ、とか言われそうですが、まぁそこは自己矛盾を抱えた人間の所業ということで大目に見てくださいませ。とはいえ一応(つれてはいませんが)これで(オオメジロザメにも)夏が来たのを確認です。
Posted by ヤポニカ at 09:06│Comments(2)
この記事へのコメント
今日テレビでみたよ。もりぞーなんとかのやつ。
それより、SはS根だよな。相変わらずだなぁ。
それより、SはS根だよな。相変わらずだなぁ。
Posted by ozawa at 2011年08月20日 22:01
ozawaさん
おひさしぶりっす
テレビO.A.今日だったんですよねぇ
すっかり忘れてみてませんです
うまく編集されているんじゃないかと思ってます
SはS根で大正解!今日も今まで頑張ってましたが坊主です。
おひさしぶりっす
テレビO.A.今日だったんですよねぇ
すっかり忘れてみてませんです
うまく編集されているんじゃないかと思ってます
SはS根で大正解!今日も今まで頑張ってましたが坊主です。
Posted by ヤポニカ
at 2011年08月21日 04:57
